お久しぶりの更新でございます若林辰也です。
最近Twitterばかりやっていてブログの最終更新がまさかの昨年末の舞台の告知。終わった後すら書いてねぇ。。。
まぁ普段の発信程度ならTwitterの方が僕には合っているようなので問題ないんですが。それが問題なのですが。
とはいえ思うところがあり久しぶりにブログである必要性を感じましたのでここに出力。
最初に断っておきますが多分今回まとまりのない文章になるのであしからず。
本日(2020年4月16日)、声優の藤原啓治さんの訃報がありました。55歳。癌だったそうです。
久しぶりかつ2020年最初の更新にも関わらず暗い話題というのもナンなんですが、個人的に覚えておきたい想いみたいなものが出てきて、Twitterに書くのもアレなんでつらつら書かせていただきます。
実は僕が初めて声のお仕事でアニメの現場に行ったときに藤原さんとご一緒させていただきました。
そのアニメは1クール(13話)モノだったのですが、その日は特に登場人物の数が少なく僕を含めても出演者は5人ほど。藤原さんは僕の隣に座りました。
もちろん全員初めましてなのでそれぞれにご挨拶させていただいたのですが、もともとコミュ障かつド緊張していた僕はつい早口で名乗ってしまい藤原さんから2回くらい「え?」と聞き返されてしまいました。
それを見た他の出演者が「啓治さんにそんなに言われたらビビっちゃいますよ」と言って下さりその場は和やかに収まったのですが、今思い出しても顔から火が出るような思いでした。
こう文章で書くとちょっと怖いやり取りのようにも感じますが、実際は緊張していた僕でも分かる程度の茶目っ気みたいなものが感じられる言い方で、多分がちがちだった僕に少しでも声を出させて緊張をほぐしてくれたんだと思います(もちろん新人だからってまともにしゃべれないほど緊張していては同じ作品を作る立場として明らかに迷惑だからですが)。
そんなに広くないスタジオで隣にいたこともあり、その後も収録の合間にちょこちょこお話しさせて頂いた記憶があります。
そのおかげかその日はなんとか無事自分の出番を終え、ありがたいことに他の話数でも何度か呼んでいただき最終的に全体の半数近くでモブキャラとして出演することができました(最初出た時に下手すぎると当然次から呼ばれません)。
他の話数の時ももちろんご一緒させていただきました(直接のやり取りはほぼありません)が、やはり最初の日が一番強烈に記憶に残っています。
声でお芝居するときの藤原さんご自身の状態や姿勢であったり、スタジオでの在り方であったり。収録中テスト(本番の前に一回演じる)くらいだったら自分の出番じゃないときに座ってる椅子の淵とか使って小さく筋トレしてたりしましたからね(笑)
今流れてくるいろんな声優さんたちのツイートなどでもわかりますが、自然体というか、目立つわけでもないのに際立って素敵な方でした。
またそれまではいろんな作品のキャラクターとしてしか知らなかった人の“お芝居以外の状態”を知れたことで、他の作品を観るときにも「その声優さんは今どういう状態でお芝居しているのか?」みたいなのを想像するきっかけにもなり、大変貴重な経験でした。
二度とはない「初めての現場」でご一緒した方の訃報に触れ、最初声が出るほど驚きました。まだまだ早すぎました。
わずかな時間ではありましたが、多くのことを勉強させていただきありがとうございます。
本当に、お疲れ様でした。